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トランプ氏の経済政策「米中版プラザ合意」の予兆 思い起こさせるレーガノミクス (2/2ページ)

 85年に2期目に入ったレーガン政権は対策を講じようとしたが、レーガン氏本人はあからさまな保護貿易や国内産業補助を極度に嫌った。そこで、ベーカー財務長官(当時)が一計を案じて日本や西独(現在のドイツ)などを巻き込んでドル高是正の国際協調を演出したのがプラザ合意だ。

 他の閣僚もそれに合わせて、通商法を積極適用し、日本の半導体産業などを標的にダンピングなど「不公正貿易慣行」を摘発して制裁関税をかけるようにした。その調査のために、中央情報局(CIA)まで動員した。

 今回、ドル高、金利高は次期政権発足を待たずに始まった。ニューヨーク市場は、トランプ氏の減税と大型のインフラ投資政策が米景気を拡大させると期待する半面で、財政赤字を拡大させると見込む。

 その結果、米国債は売られて金利が上昇し、株式とドルが買われる。来年1月の政権発足までには拡張財政がより具体化すると同時に、FRBも利上げに転じるので、金利高・ドル高傾向が定着しかねない。ドル高は米産業の競争力を減じ、輸入を増やすので、トランプ政権の製造業の復活というもくろみを潰しかねない。

 そこで響き渡るのはトランプ氏の「一律45%の中国向け関税」適用案だ。人民元安に誘導してきた中国を為替操作国として認定し、制裁する。かつて日本を主要対象とした米通貨・通商政策が中国に向く。「米中版プラザ合意」になるのか、それとも激しい米中貿易戦争になるのか。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

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