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日米おびき寄せる習AIIBの振る舞い 虚構に過ぎない世界最大の外準…「救いの手」出すADBのナゼ (2/2ページ)

 そこで習政権は最近、もっぱら猫なで声で、「一帯一路は参加国みんなの繁栄のためで、中国のワンマンショーではありません」と呼びかける。4月7日の米中首脳会談では、習国家主席がトランプ大統領に参加を促し、日本に対しては親中派の二階俊博自民党幹事長に働きかけると同時に、世耕弘成経済産業相に一帯一路会議招待状を送付した。中華経済圏でのインフラ受注の利権をちらつかせて日米をおびき寄せる魂胆だ。

 世界から集めたカネで中国周辺のインフラ建設を進め、中国国有企業が受注するという実態が丸見えで、この3年余りの一帯一路プロジェクト1600件以上に47社の国有企業が関与している。

 3兆ドル(約340兆円)規模の世界最大の外貨準備を保有しているから、中国の資金力に不安はないと見る向きもあるが、その外準なるものは4・6兆ドルの対外負債、すなわち借金に支えられる虚構に過ぎない。しかも、中国からの資本逃避は昨年で7000億ドル以上にのぼった。

 習政権が強気でいられるのは、財務官僚上がりの中尾武彦ADB総裁の対中融和姿勢のおかげだ。ADBの融資先では中国が最大で、AIIB設立後も借り入れは膨らんでいる。トランプ政権がADBの増資を拒否するのも無理はない。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

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