記事詳細

【大前研一 大前研一のニュース時評】迷走するトヨタが進むべき未来 「全方位」と言っている場合ではない (1/2ページ)

 トヨタ自動車とマツダは従来の業務提携を発展させ、今月4日に資本提携を発表した。電気自動車(EV)の共同開発のほか、米国での新工場の建設も計画している。

 英国やフランスが2040年以降はガソリン車とディーゼル車の販売を禁止すると発表するなど、自動車産業は大きな転換期を迎えている。公害に悩む中国ではもっと早くEV化を法制化する、と宣言している。そんな中、トヨタは依然として全方位の開発と提携で生き残りを図っている。

 ただ、私はトヨタのエコカー戦略は迷走していると思う。トヨタは20年前にガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車『プリウス』を販売、これが非常にうまくいったこともあり、EVの開発が大きく遅れてしまった。

 EVについては昨年、米国のテスラモーターズが大衆向けの「モデル3」を発売した。1回の充電で走れる距離が約350キロ、価格も400万円を切るなど高性能と低価格を実現しており、「勝負あった」という感じもする。また、米カリフォルニア州などでは従来型のハイブリッド車やPHVをエコカーの定義から外す計画もある。

 そんな状況の中、トヨタは一昨年に最上級のエコカーとして水素を燃料とする燃料電池車「MIRAI」を出した。自動運転も、まだ手探りの状態だ。果たして水素自動車にミライはあるのか? 少なくとも、トヨタは開発に1兆円を使ったと言われるMIRAIをやめるとは言ってない。水素の供給基地局を自力で世界中に設置するのは途方もない経費がかかる。その一方で、遅れているEVはマツダと組んでやろうとしている。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう