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【大前研一 大前研一のニュース時評】楽天の携帯電話事業参入はユーザーにメリットあり 3社寡占市場に風穴開けられるか (1/2ページ)

 昨年暮れ、楽天が4G(第4世代移動通信システム)の携帯電話事業に参入して、NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクに続く第4の通信キャリア(自前の通信回線を持つ通信事業者)になることを表明した。果たして、楽天の戦略はうまくいくのだろうか。

 楽天は2014年からNTTドコモの回線を借りて格安スマホ事業「楽天モバイル」を展開しているが、大きな利益は生み出していない。自前の通信回線や設備を持つことで携帯電話ネットワークを構築し、より柔軟な料金体系やサービスを提供できると判断したのだろう。

 楽天は、総務省が携帯電話向けに割り当てる電波の周波数取得を申請する。認可がおりれば、新規事業者への周波数帯の割り当てはイー・アクセス(現ソフトバンクグループ)以来、13年ぶりとなる。19年にサービスを開始し、10年後には1500万以上の契約件数を目指すという。だが、飽和状態の携帯市場でシェアを獲得していくのは、けっこう大変だと思う。

 実際、この発表直後、楽天の株価は昨年の最安値をつけた。市場の評価は「タイミングが遅いのではないか」「競争が激化しているのに、契約数を増やせるのか」「この程度の投資で大丈夫なのか」というものだ。

 電波を送受信する基地局を全国に設置するなど巨額の設備投資が必要になるため、サービス開始時に2000億円、25年までに最大6000億円を銀行などから借り入れるというが、各地に基地局を作るだけでなく、年間数千億円とされる整備費もかかる。投資額が1ケタ違うのではないか。

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