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【介護離職に備えよ】「介護認定返上」宣言した親子 自立に大事な「制度に頼らぬ覚悟」 (1/2ページ)

 当連載ではたびたび公的介護保険や福祉制度について書いてきた。読者の皆さんは公的介護保険があれば、親を介護することになっても1割負担や2割負担でさまざまなサービスが受けられると思っているだろう。所得に応じて3割負担する改正法案もすでに国会を通っているが、原則としては1割の負担で介護サービスだけでなく生活支援や福祉用具のレンタルができる。

 ただ、以前にも「自立支援」ということについて言及したが、筆者の知人である某ベンチャー経営者の話には思わず膝を打った。彼女は「今は、介護保険のゆとりぼけだ」と言うのだ。

 彼女は、お母様が難病になり、ほぼ寝たきりに近い状態になったため、介護認定を受け、介護保険でベッドや車いすなどさまざまなものをレンタルした。ところが、ある日、部屋中いっぱいになった福祉用具を見て、「親も子も介護保険に頼り、福祉用具に頼っている。このままでは、心まで老いてしまう」と痛感。親子で「介護認定返上」を宣言したというのだ。

 当然、ケアマネジャーら周囲の専門家はあぜんとしたらしいのだが、その宣言をきっかけにして、借りていた福祉用具はほとんどすべて返却。無添加の食事を一緒につくり、寝ていてもできる仕事は極力、お母様にやってもらい、前向きに生活するように努めたという。すると数カ月後にお母様は、マージャンやお茶に1人で行って帰って来られるまでに回復したという。先のケアマネさんらは「本当に宣言を実行してしまったよ!」と驚いたと聞く。

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