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【大前研一 大前研一のニュース時評】新「外国人労働者受け入れ策」は付け焼き刃 (1/2ページ)

 政府が検討する新たな外国人労働者受け入れ策が明らかになった。人手不足に悩む建設、農業、宿泊、介護、造船業の5分野を対象に、日常会話程度の日本語能力と簡単な技能試験に合格すれば、単純労働でも最長5年間の就労を認めるものだ。これまで外国人の受け入れは、治安の配慮から高度な専門知識を持つ人に限定されてきたが、単純労働の分野でも就労できるようになる。

 厚生労働省によると、昨年10月末時点の外国人労働者は約128万人。そのうち2割の約26万人が技能実習生だ。新しい在留資格で就労すれば、外国人労働者は年間数万人程度増え、2025年ごろまでに50万人の受け入れを見込む。しかし、この新しい外国人受け入れ政策、私には付け焼き刃としか思えない。

 現在、毎年30万~40万人が“労働市場”から卒業していく。これはGDPの減少、ひいては国家の衰退を意味する。私の計算では、1000万人超の外国人が入ってこないことには、この国は持たない。私は30年前からそのための制度作りを提言している。

 例えば、母国の学校を優秀な成績で卒業した人、きちんとした資格を持った人を対象に、2年間、無償で教育をして、日本語だけでなく、社会人としてのルールとマナーなど、日本で生活するための知識を学んでもらう。そして、成績優秀で日本に永住を希望する人に対しては、永住と勤労を保証する「グリーンカード」を発行し、日本人と同じ条件で働けるようにするのだ。

 現在の技能実習制度は最長5年の研修を認めるものの、研修を終えると本国に帰国しなければならない。せっかく技術を身につけたのに、5年でいなくなる。こんなバカなことはない。

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