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【オトナの社会科見学】皇室御用達の16本骨傘 洋傘一筋70年「前原光榮商店ショールーム」

 都営地下鉄新御徒町駅から下町風景を歩き10分ほど、急にブティックと見まごうおしゃれな店舗が現れる。1本1本の傘がまるでオブジェのように美しく飾られるのが「前原光榮商店ショールーム」。1948年創業、洋傘一筋70年の老舗で皇室御用達でもある。

 30~40代のおしゃれに敏感な男性層が多く訪れる。「時計、かばん、靴など、身の回り全てに気を使い、最後に残るのが傘なのでは」と、専務の前原誠司氏は話す。確かに冠婚葬祭で礼服に身を包む際、ビニール傘では画竜点睛(てんせい)を欠く。

 同店では「生地」「骨」「手元」「加工」と全ての作業工程にこだわり、長年の信頼関係にある外部5人と社内2人の職人で製作する。代名詞は16本の骨で作られる傘。通常の8本骨タイプと比較して強度が強く美しい。

 Uの字に曲がる傘手元パーツもガラスケース内に十数種陳列する。竹製の重厚なパーツを見ると、昔、祖父が使っていた傘を思い出す。

 故人の品から「前原」と銘が入った傘が見つかり、店舗を訪ねる遺族もある。修理できればその後10年は持つという。雨が降る度に思い出の品を使うとは粋だなあ。(矢吹博志)

 ■「前原光榮商店ショールーム」(東京都台東区三筋2の14の5、(電)03・3863・4617)10~12時/13~17時 日、月曜日・祝日定休※8月は月曜ではなく土曜日定休

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