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【大前研一 大前研一のニュース時評】1800兆円超、家計金融資産が市場に出回らないワケ (1/2ページ)

 日本銀行が先月27日に発表した2018年1-3月期の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産残高は3月末時点で前年比2・5%増の1829兆円だった。年度末の残高として過去最高を更新した。

 そのうち、現金・預金の残高は961兆円と約52%を占めた。相変わらず、現金・預金の増加が続いている。これまで1200兆円だ、1500兆円だと騒がれていた個人の金融資産は、ついに1800兆円を超えてしまったわけだ。

 この1800兆円のうちの1%、18兆円でも市場に出てくれば(購買に回れば)、消費税を7%減額したのと同じ効果があり、日本の景気は大いに刺激されるはずだ。しかし、金融資産のかなりの部分が、0・1%ほどしか金利のつかないところに置かれている。貯金を少し持っていても、増えている感覚がないので、人々は使う気にならないのだ。

 しかも、政府が突然「人生100年時代構想」と言い出したので、ますます使えなくなる。

 私の同年代の友人たちの多くは、「人生80年でもカネは足りないかと思っていたのに、100年なんてことになったら全然足りない。大前、おまえは何でそんなにカネを使うことができるのだ。バイクで日本全国を回っている場合じゃないだろ」と、余計なお世話のイヤミを言ってくる。

 現在、日本人は、貯金、年金、そして保険で、三重に老後に備えている。しかし、それでも不安だ、ということで年金の3割近くを貯金に回している。こんな国、世界にない。したがって、亡くなったときも、使わずに残された資産が世界で一番多い。イタリア人は死ぬとき貯金ゼロ、が理想だ、という。それで持ち金を全部バケーションなんかに使って人生をエンジョイする。

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