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【榊淳司 マンション業界の秘密】人気中古タワマン価格に異変… 不動産好き富裕層の意識に変化か? (1/2ページ)

 人気の高かったタワーマンションに引っ越した知人と親しく話す機会があった。知人が言うには「私の住戸は新築時よりも1000万円値上がりしています」。彼は9000万円くらいの新築タワマンを購入していたはずである。

 私は尋ねた。「それで、値上がりした価格での成約事例はあるのですか」。すると彼は「それが、1件もないのです」。

 不動産業者が売却依頼を受けたら登録することになっている不動産流通機構「レインズ」で調べてみた。

 ■転売できず

 すると、その物件の売り出し中の住戸は9件確認できた。成約事例は、彼の言った通り、ゼロ件。最近多くなった中古マンションの資産価値評価サイトで調べてみると、2割ほど値上がりしていると出ていた。

 一体、どういうことだろう? その人気のタワマンが完成したのは今年の7月。先の知人に聞くと、まだ3割以上の住戸には人が住んでいなさそうだという。

 現在売り出し中の住戸は、転売目的で購入されたものだろう。購入額よりも2割ほど高く売りだしているが、正規の流通ルートでは1戸も成約していないというのが実情だと推測する。

 また、中古マンションの資産価値評価サイトは、ネット上で収集できる売り出し価格を基に現在価値をはじき出している。だから、どうしても実際の取引価格よりも高めになってしまうはずだ。

 知人は、そのタワマンが今ひとつ気に入っていないようで「元の住まいに戻ろうかと思っています」とこぼした。私は「それならとっとと引っ越して早めに売却された方がいいですよ」と助言しておいた。

 これとは別の、ある湾岸エリアのタワマンについて、最近の取引事例を調べてみた。東京都江東区の湾岸エリアで、中古物件の在庫が減少していると聞いたためだ。

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