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【経済快説】世界に誇る制度に揺らぎ? 健康保険は「1つ」にして効率化すべし (1/2ページ)

 日本の健康保険制度は総合的に見て優れていると、筆者は評価している。多くの国民が比較的無理なく加入することができて保障が十分に厚い。医療費が高額になる場合の制度として高額療養費制度(ご存じない方はぜひ、ネットで検索してください)があるので、がん保険などの民間生保の医療保険はほぼ不要だ。

 医療費・薬価などを保険点数でコントロールする仕組みは、運用に難しさがあるとしても、供給側と需要側の間に情報の格差が大きな医療サービスや医薬の価格形成をうまく制御している。

 ところが、この世界に誇るべき日本の健康保険が揺らぎを見せている。

 日本の健康保険は、大企業や業界単位などで健康保険組合を作って加入する「組合健保」、中小企業などの社員が加入する通称「協会けんぽ」(運営主体は全国健康保険協会)、さらに企業で働いていない人などが加入する国民健康保険など、個々人の立場によって加入する健康保険が複雑に分かれている。扶養者を含む医療保険加入者の構成比は、おおよそ組合健保が23%、協会けんぽが29%、国民健康保険が27%といった具合だ。

 ところが、企業や業界が作る組合健保の解散が増えている。例えば、9月21日に組合健保では全国第2位の規模を持つ人材派遣健康保険組合(扶養家族を含めて51万人が加入)が来年4月1日付で解散することを決めた。解散した組合健保の加入者は、協会けんぽに移行することになるが、そうなると本人と会社が折半で負担する健康保険料が少々上昇することになる場合が多い。健保組合は、協会けんぽの条件よりも保険料率を高くしないと維持できない場合に解散を決める傾向がある。協会けんぽには、国の補助金が毎年1兆円以上入っているが、これがさらに拡大する。

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