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【大前研一 大前研一のニュース時評】「首都圏郊外の所得減」は解決不能 筆者が見た現実 (2/2ページ)

 いわゆる1時間から1時間20分のベッドタウンが低所得化すると同時に、若い人がいなくなって将来性はゼロとなった。「始発だから座ることができていい」という地域は、それが顕著になった。

 そうなると、商業施設も閉まる。私がかつて埼玉の市町村に行って感じたのは、食事するところがやたら少なかったことだ。そば屋が1軒しかないというところにはさすがに住めないな、と思ったものだ。

 私は40年前から長野・蓼科高原で夏はバイク、冬はスノーモービルを楽しんでいるが、その間、このあたりにはおいしい店がどんどんできてきた。

 一方、東京との境から20キロを超えた先は例外なく「所得減少のドーナツ」という状態になっている。神奈川県の横須賀市もそうだ。千葉市も都市部は何とかなるが、それより外側はどうしようもない人口減だ。埼玉の各地域はその典型で、引退した人が都心回帰をしている、というニュースを見るが、それは一部の恵まれた人たちだけだ。

 いずれにしても、この問題は日本にとってはすでに過去形になっている。これから反転をするには、よほど自治体が新しいアイデアを出さないと無理だ。「家1軒を10万円で差し上げますから来てください」程度の誘いでも、健全な若い世代は呼び込めない。

 ■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

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