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【榊淳司 マンション業界の秘密】新築&中古購買に「待った」…近づく金融引き締めの足音 (1/2ページ)

 日本では今、異常な低金利が続いている。長期金利はほぼゼロに近い状態。これを異常と言わずして何と言うのか。

 この低金利を誘導しているのは、いうまでもなく日本銀行だ。その総裁は黒田東彦(はるひこ)氏。彼は最近、「物価上昇率が2%に達すれば、金融緩和の出口となる」と受け取れるような発言を行った。

 この「物価上昇率2%」というのは、ここ何年も達成できずにいた日銀の数値目標。近頃では日銀の関係者が、あまり口にしなくなっていた。それが、総裁の口から久しぶりに出てきたので、やや驚いた。

 実は最近、黒田総裁は現在の異次元な金融緩和からの出口に関する発言についてチラホラ口にするようになっていた。その度にメディアからは「そろそろ金融緩和も終了か」という観測記事が出た。

 そのことも合わせて考えると、どうやら物価上昇率が目標の2%に達する気配が出てきたのかもしれない。少なくとも、日銀はわれわれより多くの情報を持っている。

 総務省統計局が9月21日に発表した8月の物価上昇率は、前年同月比で1・3%増。現在、原油価格はイラン情勢の影響から上昇気味。外国為替も米国の金利上昇を反映して円安傾向が続いている。原油とドルが高くなると、日本の物価には上昇圧力がかかる。物価上昇率が2%に達しても不思議ではない環境は整っている。

 日銀としては、19年の10月に予定されている消費税の増税前に、金融政策の手持ちカードを増やしたいから、本音としては金利を上げておきたいはずだ。また、何年も続いているゼロ金利政策によって、銀行の経営は疲弊している。このままでは経営不安に陥るところが出てきてもおかしくない。

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