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【榊淳司 マンション業界の秘密】都心エリアでも始まった「新築」「中古」の価格乖離 (1/2ページ)

 マンションの市場は新築と中古に分かれている。一般人の目につきやすいのは新築だ。新築には1戸当たり約100万円の広告予算が投下される。1000戸の規模なら広告予算は約10億円。数億円をかけて大物タレントをイメージキャラクターに起用することもできる。派手な広告は人々の目にとまりやすい。そこで表示される販売価格は、当然のごとく市場の指標となる。

 中古マンション市場は、この新築の価格動向に大きく影響されてきた。「新築が××××万円だから中古は…」という発想だ。しかし、ここ最近はこの方程式が揺らいでいる。まず、東京都心や大阪市内のコアエリアでは新築の価格高騰に歯止めがかかっていない。「こんなに高くて売れるのか」と、首をかしげたくなる価格が設定されるケースが珍しくなくなっている。そういうマンションは案の定、販売不振である。

 周辺で売り出される中古の価格も、それにつられて高めに設定されている。だが、よく調べてみると、そういう高値で成約している事例はほとんどない。市場はそんな高値を静かに拒否しているのだ。

 今のような価格の高騰が明確に始まったのは、2014年10月の異次元金融緩和第2弾(バズーカ2)以降だ。

 インバウンド(訪日外国人客)の急増によるホテル用地需要も相まって東京や大阪の都心、京都市の一部エリアで不動産価格が高騰した。中古の市場価格も、それに伴って高騰を続けてきたが、最近では上昇熱が冷めかけている。

 実は、新築マンションの価格は来年以降も上がる。その理由はマンション用地の価格は今も高騰を続けているからだ。建築資材も円安の影響を受ける。人件費は相変わらず高止まり。新築の価格に下落する要素を見いだせない。

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