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【榊淳司 マンション業界の秘密】富裕層ならではのエゴイズムも…プロが見る南青山「児童相談所」問題 (1/2ページ)

 東京都港区の南青山というところは、日本で最もマンションの資産価値が高く評価される場所だ。その南青山エリアに港区が「港区子ども家庭総合支援センター」を造るというので、周辺住民が反対運動を起こしている。

 この施設は4階建て。1階には「子ども家庭支援センター」、2~3階には児童相談所、4階には母子生活支援施設が入る。そこは虐待を受けている児童やDV被害者が相談したり、一時的に入所できたりするところだという。

 周辺の住民からすると、そういう施設ができるとエリアのイメージが低下して、不動産の資産価値が下がる可能性があるということらしい。

 確かに、そこには幸せいっぱいの人々が集まってくるかというと、どうだろう。成育環境の悪化した子供やその母親が助けを求めてやってくる。南青山周辺に住む人々とは明らかに人生の風景が異なる…と考える人もいるのだろう。

 では、この「港区子ども家庭総合支援センター」は、不動産業界でいうところの嫌悪施設になるのかどうか。問われれば「なる」と答えるしかない。

 その理由は、この施設があることによって周辺での不動産購入を断念する人が一定割合で存在する可能性があるからだ。

 この周辺で中古マンションの売却を仲介する業者は、重要事項説明書にそのことを記すことになるだろう。厳格な決まりはないが、その方が後からのトラブルは防げる。

 そんな想定ができるものの、周辺住民が反対している理由を聞いていると、富裕層ならではのエゴイズムを感じる。ただ、反対運動があるからといってこの計画がなくなったり、とん挫するとは思えない。不動産業界的には嫌悪施設とみなしても、港区としては必要な福祉施設であるからだ。

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