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【介護離職に備えよ】意外と知られていない「地域包括支援センター」 (1/2ページ)

 先日、ある大企業の管理職A氏から、部下である40代女性社員のことで相談を受けた。彼女の両親は、東北地方で障害のある兄をみながら暮らしていた。

 ところが数年前、母親が認知症になり、今度は2人の介護を担っていた父親に進行したがんが発見されたという。遠距離で、一気に3人の介護が必要になった彼女は、思い詰めて「仕事を辞めたい」と言っているとのことだった。

 「退職をとどまらせることはできないか」と相談してきたA氏に対し、介護休暇や介護休業制度を活用することと、親の住む地域の「地域包括支援センター」に相談することを勧めた。

 A氏も部下の女性も、高齢者の介護などの相談に乗ってくれる地域包括支援センターの存在や役割についてまったく知らなかった。これでは「介護離職ゼロ」の掛け声も絵に描いた餅ではないかと改めて感じた。

 「働く女性の仕事と介護の両立に関する意識調査」(ソフトブレーン・フィールド社)によれば、64.8%が仕事と介護を両立したいと回答している。にもかかわらず、弊社の調査によれば、現在の介護や医療に関する制度改正については、約80%のビジネスパーソンが「知らない」と回答していた。たとえば、今年8月に介護サービス費事故負担割合が一部3割に引き上げられたが、この認知度は約25%に過ぎない。

 まさに、制度を知らなければ、冒頭の女性社員のように、ある日突然「辞めるしかない」と思い詰めてしまうのも無理はない。

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