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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「晩」》「容疑者」になったカリスマ経営者 逮捕劇の裏に日産のクーデター? (1/2ページ)

 日産のカルロス・ゴーン会長を東京地検特捜部が金融商品取引法違反容疑で事情聴取-。

 一報が入ったのは19日の夕刻だった。このとき本社でデスクのサポートをする業務をしていた。にわかに騒がしくなった社会部の動きを察知し、経済部のデスクも自動車担当の記者に素早く原稿の指示を出していた。

 事態は刻々と変化した。ゴーン会長は数時間後には逮捕され、原稿上の肩書も「容疑者」に修正された。ゲラ刷りが出て、社会への影響の大きい事件や不祥事を報じる際に使われる黒地に白抜きで「日産ゴーン会長逮捕」の見出しを見たときには改めてその衝撃の大きさに感じ入った。

 ゴーン容疑者は経営危機にあった日産を立て直した「カリスマ」として知られている。仏ルノーとの連携を推し進め、三菱自動車の電撃的な買収を決断。日産・ルノー・三菱自の3社連合は今年上半期に世界販売台数で首位に躍り出た。

 ゴーン容疑者が日産に最高経営責任者(CEO)として乗り込んだのは1999年。あまりにも長くトップに君臨してきた結果、不正を働きやすい環境ができてしまった。日産の海外現地法人を通じて、リオデジャネイロの観光地コパカバーナ海岸沿いのマンションを購入させたり、家族旅行の代金を払わせたり、やりたい放題の実態が明らかになってきた。

 ゴーン容疑者をめぐっては、これまでもたびたび高額な報酬が疑問視されてきた。工場閉鎖や人員削減など大胆なリストラを断行した経緯もあるだけに、従業員や株主も不信感を募らせていることだろう。

 カリスマ経営者の逮捕劇は、思いも寄らぬ展開を見せつつある。「日産によるクーデター」との見方が広がっているのだ。

 ルノーや筆頭株主の仏政府は、今や企業規模や収益力で勝る日産との経営統合を画策。こうした動きを警戒した日産側が司法取引を利用して、3社連合の要であるゴーン容疑者を追放した-という小説のようなストーリーだ。

 こうした見方を払拭するように、西川広人社長は19日夜の記者会見で「クーデターではない」と強調。世耕弘成経済産業相は20日夜、ル・メール仏経済・財務相と電話会談し、「日仏産業協力の成功の象徴の一つである日産・ルノー連合に対して、また、協力関係を維持していくという彼らの共通の意志に対して、強力にサポートすることを再確認した」とする共同声明を公表した。