記事詳細

【榊淳司 マンション業界の秘密】高齢者増で深刻な相続問題、区分所有権の分離放棄を認めては? (2/2ページ)

 私は、現在の相続制度を部分的に改めるべきだと思う。今の相続制度では、相続人は亡くなった人の資産や負債をすべて相続するか、あるいは全面放棄するかの二択である。例えば、金融資産1000万円と資産価値がゼロに近いマンションが残されていたとする。たいていの人は1000万円がほしいので相続する。資産価値ゼロのマンションも相続人の所有となるはずだが、そこで管理費の滞納が起こりやすい。

 そういったことを避けるために、相続の際に区分所有法のみは分離して放棄できることにすればよい。その前提として、放棄された区分所有権はそのマンションの管理組合法人が取得する仕組みにしておく。

 相続放棄された住戸を取得した管理組合法人は、それを自由に処分できる。低廉な価格で管理費等を確実に払ってくれる人に売却したり、管理等を少しでも上回る賃料で貸し出してもいい。

 あるいはマンション内のデイサービス施設として活用することも考えられる。少なくとも、管理費等が滞納になっているよりも良い状態となる。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

関連ニュース