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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「聖」》5日遅れのクリスマスプレゼント (1/2ページ)

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の発効が12月30日に迫っている。交渉開始から8年余り。米国の離脱という危機を乗り越え、TPPはようやく花開く。苦労を共にしてきた11カ国の交渉関係者たちは今やすっかり「ファミリー」のようになじんでいるという。茂木敏充経済再生担当相は「TPP発効は5日遅れのクリスマスプレゼント」と表現しているが、それは決して大げさな表現ではなさそうだ。

 TPPが発効すれば、世界の国内総生産(GDP)の約13%を占め、総人口で約5億人を抱える巨大な自由貿易圏が新たに誕生する。関税の撤廃・削減だけでなく、投資や電子商取引、知的財産などルールも含めた高水準の協定だ。

 ここまで来るには、波乱の連続だった。TPPは2010年3月に8カ国で交渉を開始。日本が交渉に加わったのは13年7月。16年2月に12カ国が署名したが、米大統領にトランプ氏が就任すると状況は一変する。TPPの主役だったはずの米国が昨年1月に脱退し、保護主義的な姿勢を強める。その後は日本が主導して、驚異的なスピードで米国を除く11カ国で署名にこぎつけ、発効まで秒読み段階に入ったところだ。

 11カ国にとって来年最大のミッションはメンバーを増やし、TPPを保護主義の対抗軸として強くしていくことだ。特に米国をもう一度呼び戻すことが不可欠だ。

 ある与党国会議員はこう解説する。「中国が経済力と軍事力を背景に、自分たちの秩序を築こうとしている。それを許すと、共産主義社会で培われた秩序が世界の秩序になってしまう。これを防ぐ意味で、TPPは唯一、日本主導で世界の秩序を作れる政策だ」。中国に対して迫力を持たせる意味でも、TPPは米国を巻き込んで実現させる必要があるというわけだ。