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【日本の解き方】利上げ停止から再利下げ浮上… 米国の動向次第で円高進行も、日銀は「長短金利操作」見直しを (2/2ページ)

 筆者は本コラムで当時のことについて、パウエル議長はとりあえずはトランプ大統領に従った格好で、これまでの金融引き締め路線を修正したといってもいいと書いた。それがとうとう決定になったのだ。この意味で新しい話題ではない。しかし、市場は次を狙っている。

 米国政治では、大統領1期目の前半2年は公約達成のため、後半2年は大統領2期目の再選のために動くといわれている。

 トランプ大統領は公約をかなり忠実にこなしてきた。これからは大統領再選を目指していくのだろう。となれば、FRBはこれから2年間は動きたくても動けない。利上げの一時停止は2年続く公算がある。

 米国経済の現状は好調だ。2018年第3四半期の実質国内総生産(GDP)成長率は前年同期比3・4%。今年1月の失業率は4・0%、昨年12月の消費者物価上昇率は1・9%と理想的である。これが維持できるのか、それとも過熱するのか、景気後退なのかが焦点になる。

 米国以外の世界経済では、中国や欧州連合(EU)など懸念材料が多い。世界経済からみれば、米国だけが過熱する要素は少ないので、FRBが利上げをやめても問題ない可能性は高いだろう。となると、さらに利上げの停止にとどまらず、再利下げの可能性すら残されている。

 一方、日銀は、名目金利優先のイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)の導入以降、金融緩和のスピードを大幅に低下させた。そのため実質金利も下げ止まっている。

 この状況では米国の動向によって円高進行の可能性はかなりある。日銀は、柔軟対応としてイールドカーブ・コントロールの見直しをするくらいのことをやってもいいだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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