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【新・兜町INSIDE】自社株買いブームに異論… 割高銘柄では投資家不利益?

 大規模な自社株買いを打ち出す企業が相次いでいる。市場から株式が減れば、1株当たりの利益や資産が増加して株価上昇要因になるため、自社株買いは配当と並ぶ株主への利益還元措置と位置付けられている。しかし、ケースによっては自社株買いが割高な買い物となり、投資家の不利益になりかねない。

 直近ではトヨタ自動車やJR西日本、NTTドコモなど名だたる大企業が自社株買いを発表し、株主重視を示すものとして市場で好意的に受け止められている。

 一方、花王やHOYAについては疑問の声が上がっている。両社とも投資家の成長期待が大きい優良企業。株価が純資産の何倍の水準かを示すPBR(株価純資産倍率)が5倍前後と高い。こうした銘柄の自社株買いは、実質100円のものを500円で購入すると解釈できるのが不満の元だ。

 市場関係者からは「無理に自社株買いせず、資金は増配か成長投資に充ててほしい」(投信運用会社)との声も出ている。ちなみにトヨタのPBRは約1倍なので、自社株買いに割高感は全くない。

 【2019年5月13日発行紙面から】

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