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【こんな時代のヒット力】ラインアップで差別化、新提案で新市場を開拓 キング醸造「日の出料理酒」 (1/2ページ)

 伝統的な調味料の「さしすせそ」(砂糖・塩・酢・せうゆ=しょうゆ・みそ)の家庭内消費が大きく減っている。理由は共働き世帯の増加による料理の簡略化、「時短」だ。料理酒も同じ。縮む市場で、唯一、成長を続ける会社がある。

 その会社は昭和50(1975)年、料理酒の始まりといわれる「日の出料理酒」を世に出した、キング醸造(兵庫県稲美町)。同社は明治33(1900)年の創業で、焼酎造りから始まり、現在は料理酒、みりんの専門メーカーである。

 料理に日本酒を入れる調理法は、「素材の臭みが取れる」と、古くから行われてきた。それ以外にも、「旨味・コクを出す」「素材を柔らかくする」などの効果があるといわれる。その酒は、燗をつけた酒の余り「燗冷まし」などが使われていた。

 同社マーケティング開発部マーケティング戦略課マネジャー、竹山慎一郎氏は「当時、酒やみりんは免許制度のため、酒屋以外扱えなかった。そこで酒税法の対象にならない、みりん風の調味料をスーパーに置いたら需要があると考えた」という。

 酒に塩を加えた酒塩(さかしお)という調味法に発想を得て、塩分量を増やして酒類の規定に入らない料理専用の酒を開発した。「ニッチマーケットを狙ったら、結局、料理酒という新たなジャンルを創出した」(竹山氏)

 市場は現在、年100憶円規模で停滞。大手メーカーも参入し、厳しい市場になっている。しかし、「日の出料理酒」は出荷量ベースで常にトップシェア、直近7年で114%の成長を続けている。竹山氏は「ラインアップと使い方の啓蒙(けいもう)で、常に他社の一歩先を行く努力をしてきた結果」と話す。

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