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【バフェットの次を行く投資術】「ストック・オプション」は投資家の財布に手を付ける行為

 日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン被告の巨額報酬と、公表されていなかった「裏報酬」の金額に驚いた読者も多いと思う。

 確かに、成果を上げた経営者が十分な報酬を得ることは全く問題がない。実際バフェットも米国大企業の経営者の天文学的報酬そのものには異論を唱えない。バークシャー傘下の企業の経営者の報酬は、自己申告した目標の達成度に比例する完全業績連動型なので、上限はないのだ。

 しかし、バフェットが強く主張するのは「経営者の報酬も従業員の給与もその働きに応じて支払われるべきである」ということだ。「成果を上げる前に報酬を支払ってはならない」という言葉がその象徴である。

 例えば、営業部長が経理担当者と結託して自分の給料を倍にしたことを経営者に隠していたらどうだろうか。明らかな犯罪である。それは、経営者の雇い主である株主との関係においても同じである。ゴーン被告は、株主に対して自分の報酬を少なく報告していた。「もらいすぎ」という批判を恐れてのことだろうが、自分の仕事の実績が雇い主(株主)に多額の報酬を支払わせるほどではないと、自分自身で思っていたわけである。

 バフェットは「ストック・オプション」もそのような行為と同じだと述べている。

 彼の言葉によれば「ストック・オプションは投資家の懐の財布に手を付ける(泥棒)行為」である。ストック・オプションでいくら報酬が与えられるのか不明(株主に報告されない)なのに、結局その資金は会社の資金(=株主の財布)から支払われるのだ。バフェットが立腹するのも当然だろう。

 しかも、株主は必ず対価を支払っているが、ただ、役職員であるというだけで株がもらえるなどというのは馬鹿げている。 (人間経済科学研究所、国際投資アナリスト・大原浩)=敬称略

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