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銀座進出した無印良品 高級百貨店ひしめく中で輝く深いワケとは? (2/5ページ)

 従来の百貨店で考えたら、縦に伸びる建物で売り場を展開している多層階の構造こそが「標準的な店舗形態」です。しかしこれは、低階層が中心の無印良品では特別な形態です。特に銀座店のオープン前まで近隣で営業していた有楽町店は比較的低層階の店舗で、顧客も複数の売り場を回遊しやすいという特徴がありました。

 しかし、銀座店はそれに代わる大型店という位置付けですので、銀座という地価の高い場所で同程度の売り場面積をとろうとすると、どうしても多層階にせざるを得なかったわけです。

 ◆店内で「ずっと椅子に座っていただいてもOK」

 どうやって顧客に上の階の売り場に上がってもらうか。多層階型の小売業には試行錯誤してきた歴史があります。百貨店が回遊性を高めるため取ってきた代表的な対策に、最上階に「ファミリーレストラン」を配置して、まずは食事をとりに上に上がってもらい、そこから下にお客さんを流すという「シャワー効果」があります。上の階に集客力のある施設を導入するというものですね。最近ではファミレスの代わりに上層階に催事場をおいたり、ポケモンセンターのようなアミューズメント施設を誘致するケースもありますが、いずれもシャワー効果を狙ったものです。使い古された手法ではありますが、今も効果的でよく取られていると言えます。

 無印銀座店の場合、上層階にあるのはホテルです。加えて物販スペースの最上階となる6階はアートスペースとカフェ(夜はバー)、そしてMUJI HOTELのフロントスペースです。モノも売らないしファミリーレストランでもありません。しかしそこには無料で座れる椅子やソファが置いてあり、いつでもそこに来て休憩できるようなスペースになっています。

 無印銀座店の有田明央店長は「ずっと(来店客に店内で)椅子に座ってもらっても、私はいいと思う」と言い切ります。実際、こうした工夫から、無印銀座店は来店者数が好調なだけでなく、「有楽町店の時は仕事帰りのOLが多かったのが、こちらでは買い物メーンで年齢層も高めの客も増えてきた」 (有田店長)と、客層が拡大するようになったとのことです。回遊性向上の工夫から、20~30代くらいの既存の「無印良品ファン」に加えて、銀座という立地もあり、周辺の老舗百貨店に足を運んでいたような、比較的裕福で上の年齢層の客も昼間に来るようになったとみられます。

ITmedia ビジネスオンライン

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