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銀座進出した無印良品 高級百貨店ひしめく中で輝く深いワケとは? (3/5ページ)

 ◆「売らんかな」の百貨店イベントと「リピーター狙い」の無印

 無印銀座店の客層が広がったのは、なにも立地やシャワー効果だけの影響ではありません。地道な日々の販促効果も奏功しているようです。例えば、同店ではさまざまな顧客創造のための販促に力を入れています。これは一見、従来の百貨店などの小売りが取り組んでいるイベントと似ていますが、その手法はちょっと違うようです。

 従来の百貨店では、集客のための販促活動と言えば「売らんかな」の傾向が昨今、強くなっている印象を受けます。夏のビッグバーゲンなどの割り引きセール、福袋販売などの初売り、オーダースーツフェアなど、どちらかと言えば「まず商品を売り込む」要素が強いイベントが多いようです。こうした施策は直接的な効果が高い分、顧客を食傷させる危険性もはらんでいます。百貨店側も気付いてはいるのですが、なかなかやめられないものです。

 無印銀座店ではまず来店客を増やし、リピートしてもらうことにフォーカスしています。銀座に縁のあるクリエイターなどに、店内に小物などの屋台を出店してもらう「つながる市」を開催したり、子供向けの「父の日・母の日ワークショップ」を企画。大人向けには風鈴の絵付け教室、時にはアート系のトークショーを開催するなど、年間300件ほどのイベントを開催しています。

 これらには直接物品を販売しないタイプの物も少なくなく、必ずしも直接売り上げに直結するものではありません。有料のワークショップもありますが、同店によると、基本的に材料費程度の参加しやすい金額とのことです。あくまでも顧客に楽しんでもらうためのイベントやワークシップという位置付けで、「売り」を前面に出した販促ではなく、共感型、体験型の販促に力を入れているのです。

 無印銀座店のイベント施策は、従来型の売り上げ先行型のプロモーションから脱却して、まずは継続して顧客を集め続けようとする取り組みとも言えそうです。

 ◆苦戦強いられる百貨店

 日本の百貨店は苦戦を強いられるようになっています。上記のようなマンネリ化したプロモーションが続き、顧客に価値を提供できない店が増えた点もあると言えそうです。

 百貨店売上高は1990年の9兆円をピークに年々減少し、2016年には6兆円を割り込み、減少傾向にあります。

ITmedia ビジネスオンライン

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