記事詳細

【渡邉美樹 経営者目線】経営者目線で見る米中貿易戦争 政治も経営も外交は「ウィンウィン」が理想の形 (1/2ページ)

★(15)

 今回は、米中貿易戦争と世界経済について取り上げたい。

 経営者目線で見ると、米国と中国の2大経済国は好対照をなしている。米国経済は、移民政策に支えられ「強い経済」がある。ミクロレベルでも外食の利用が多く、飲食店の売り上げ、マーケットの伸びも圧倒的だ。

 一方、中国経済は「大きく痛んでいる」と感じる。沿岸部と内陸部、共産党員と非共産党員の間で、貧富の差が深刻だ。香港の大規模デモも話題に上るが、経済が落ち込むと政治不安に直結する。格差で庶民の不満を爆発させないよう、経済の好転が課題だ。

 昨年から、米中は互いの輸入品に関税を掛け合う「経済戦争」を続けているが、中国経済は痛んでおり、アメリカは今が攻め時と見ていると感じる。6月末に大阪市で行われた20カ国地域(G20)首脳会合で、米中は交渉再開を合意したが、両国とも、自国が少しでも有利に決着するために、引き続き、駆け引きを続けていくであろう。

 私は経営者として、アメリカや中国をはじめ、数々の海外企業とタフな交渉を経験してきた。海外と交渉に臨む時の基本姿勢は、ケーキを半分に切った時、ちょっと多いと感じる方をまずは相手に差し出す気持ちである。こちらの要求を100%通したいのは山々だが、向こうの言い分も聞いて「49対51」でも、しっかり「49」をとり、それを積みかねて、広げていくことが大事である。

 アメリカンファーストをはじめとする、「自国ファースト」「保護貿易主義」は、俯瞰して見た世界経済の持続性から考えれば、間違っている。「相手を立てたうえで、こちらも立てる」、ウィンウィン(win-win)が、本来の理想の形である。

関連ニュース