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【定年起業への挑戦 実践編】日本のアート業界に強い問題意識… 定年後は“隠れ家”で若手画家を支援! (1/2ページ)

 東京・銀座に奥野ビルというレトロな建物がある。その一角に隠れ家として小さな書斎を構えるのが山本冬彦さん(71)だ。山本さんは会社員時代から週末の画廊めぐりを楽しみ、若い画家を応援したいと手頃な価格の絵を買い求め続けた。

 山本さんは定年後に備えて奥野ビルの一室を借り受け、隠れ家のようなコレクションルームにした。もともと事務所ばかりの古いビルだったらしいが、山本さんが誘った形で画廊が徐々に集まり、今では画廊ビルとして知る人ぞ知る名所となっている。

 サラリーマンコレクターとして有名になった山本さんは「週末はギャラリーめぐり」(ちくま新書)を出す。著書を出してから、山本さんには企画展の相談が数多く持ち込まれるようになる。2011年、定年で組織を離れた山本さんは、予定通りこの隠れ家をベースに精力的に活動を開始、年10回程度の企画展をコーディネイトしているという。

 「企画料はいただきますが、それは展示の若い画家の絵を買うのでほとんど持ち出しですが」(山本さん)

 収益のためではなく、あくまで若い画家たちのサポートだ。山本さんは日本のアート業界に強い問題意識があり、若い画家が食べていけないシステムに警鐘を鳴らす。

 「投機のためのアートではなく、普通のサラリーマンが気軽に買い求め、画家に適正な画料が支払われるようになるべきです」それはサラリーマンとしてギャラリーめぐりをしてきた頃からの変わらぬ思いだ。

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