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【定年起業への挑戦 実践編】埼玉でも広がる「シニア起業」の輪 (1/2ページ)

 2020年1月18日、埼玉県大宮ソニックシティ市民ホールにおいて「シニア起業事例発表会」が開催された。埼玉県はシニア起業に関する取り組みを進めており、今回シニア起業家の話を聞く機会を設けたものだ。県シニア活躍推進課は「想定以上のお申し込み数で反響に驚いています。急遽(きゅうきょ)増席しました」と話す。

 発表会では銀座セカンドライフ代表取締役片桐実央さんがメイン講師として登壇し、自己の強みの棚卸しから事業計画書作成、資金調達の方法、さらには市場調査や販路開拓の方法など起業に必要な知識を話した。

 続いて、埼玉県在住のシニア起業家が登壇、さいたま市で「手編みサロンあみ~ちぇ」代表を務める平田のぶ子さん(60)は、体の不自由な人でも編み物を楽しめるユニバーサルかぎ針を発案し56歳で起業。創業補助金など行政の支援策も活用してきた。「起業と言うより趣味の編み物を生かそうとした結果」と語り、起業で色んな人とのつながりができたと振り返る。

 秩父市で介護タクシー「あべケアタクシー」を営む阿部誠(62)さんは、著名ホテルを早期退職後54歳で介護タクシーを開業。ホテルで養った「察する力」を生かし、気配りの接客を行うとともに固定客を増やす工夫を欠かさないと話す。その結果お客さまも増え現在ご夫婦2台の車で稼働中だ。

 「造型工房キトラ」代表、造型師・岡健之(たけし)さん(58)は、55歳の時模型作品の制作販売で起業したが、そもそも会社員時代に趣味で作った怪獣などの造型物が高い評価を受けていた。しばらく二足のわらじを続け、家のローンや子どもの教育費にメドがついたとき、好きなことで食べていく夢を選択したと言う。

 ほぼ満員の会場には女性参加者も多い。埼玉でもシニア起業への大きなうねりが生じているようだ。(取材・構成 藤木俊明)

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