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【BOOK】独自の文化を育んだ金沢を舞台に、美を核にした人間ドラマ 高樹のぶ子さん「タイミングの良さに驚き」 (1/3ページ)

★高樹のぶ子さん『白磁海岸』小学館1500円+税

 昨年来、次々と見つかっている北朝鮮の漂流船。密航か? 工作船か? それにタイミングを合わせたかのようなミステリーが話題を呼んでいる。実際の事件を参考にしながら恋愛小説の名手が描いた異色のエンターテインメント長編だ。(文・南勇樹 写真・酒巻俊介)

 --北朝鮮の漂流船の問題など、今まさに起きているニュースがテーマになっています

 「タイミングの良さに驚いています。(『白磁海岸』は)金沢の文芸誌(季刊)に約4年間連載していたものですが、書き始める前に地元紙の記事などを調べてみると、本当にいろんなものが日本海を越えて、しょっちゅう流されてくることが分かりました。船だけでなく、人間の遺体が漂着するケースもあった。(今回の事件のように)今も日常的に起きていることなのです」

 「北朝鮮のいろんな事情も分かってきました。世代交代が起きたときに何が起きるのか? 私は、時代の『歴史的なダイナミズム』が好きですから、楽しんで書くことができましたね」

 --舞台になっている金沢への思いは

 「何度も小説の舞台にしているなじみ深い街。“保守王国”という土地柄の一方、かつては、白系ロシア人(ロシア革命を逃れてきた人々)が移住してきたり、不思議なインターナショナルな感覚を持った街。食べ物もおいしい。京都ほど大きくないけれど、独自の文化を育んできた街だ、と思いますね」

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