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【高須基仁 人たらしの極意】大谷翔平に受け継がれた後藤新平の精神「自助・互助・自制」

 米大リーグで二刀流に挑んでいるエンゼルスの大谷翔平投手が、初登板初勝利を挙げた頃、私は所用で岩手県奥州市を訪ねていた。もちろん大谷の出身地であり、現在の東京の骨組みを作った政治家、後藤新平の生まれ故郷でもある。

 投打に優れたベーブ・ルース以来の衝撃を米国民に見せつけた大谷。試合後、「今日は、ただただ楽しんで投げられ」と喜びを口にした後、好リードをした捕手マルドナについて、「一球もそらさずに丁寧に捕球してくれた。すごい感謝している」と、謙虚な態度を見せた。

 私は大谷の活躍を我がことのように喜ぶ地元の人と語り合いながら、「大谷は後藤新平の教えに忠実な生き方をしているな」と確認し合った。

 ボーイスカウト日本連盟の初代総長でもあった後藤は、「人のお世話にならぬよう、人のお世話をするよう、そしてむくいを求めぬよう」という自治三訣(さんけつ)の言葉を遺している。自助・互助・自制である。

 戦前に、71歳でその寿命が尽きた後藤だが、関東大震災後に帝都復興院総裁として、世界で初めて「災害に強い」都市の区画整理を行った。あまりのダイナミックさに、「大風呂敷」と揶揄されたりもしたが、環状道路の基本となる明治通りや昭和通り、靖国通りという東西南北の軸となる道路を整備し、今日に残る偉業を成し遂げたのだ。

 私の話も、いささか大風呂敷になったが、広く世界のファンの心をつかんだ大谷には、その奥州の血が流れている。

 後藤には、「金を残して死ぬ者は下だ。仕事を残して死ぬ者は中だ。人を残して死ぬ者は上だ」という遺訓もある。久々にサムライ魂を感じる大リーガーの大谷が、何を残すか楽しみでならない! (出版プロデューサー)

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