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【大鶴義丹 それってOUTだぜ!】伊調パワハラ問題が日本社会にぶち込んだアップデート・プログラム 上下関係希薄化、弱肉強食の時代に (1/2ページ)

 女子レスリングの金メダリスト、伊調馨選手に対するパワハラ問題は、いろいろなアングルの報道合戦の揚げ句、第三者委員会が栄和人強化本部長のパワハラ行為を認定したことで、レスリング協会の福田富昭会長ら幹部が謝罪、栄氏が強化本部長を辞任するという幕引きになった。

 また“ラスボス”的な登場で世間をざわつかせた協会副会長で至学館大学長の谷岡郁子氏も反省の弁を明かした。

 映画的にいうと、スター・ウォーズで帝国が崩壊してハッピーエンドという感じであるが、私はこの結末が、日本社会に新しいアップデート・プログラムをぶち込んだと感じた。しかし、このアップデートというのがくせ者で、必ずしも機能向上ではないことが多い。

 「パワハラ」という言葉は、長く日本社会に根付いていた、上下関係の因習をたたき壊すと同時に、上下関係によって成り立っていた関係性の制御装置も吹き飛ばしたのではないか。

 もうこれからは、どんな公的な集団においても、この「パワハラ」という言葉が威力を発揮することで、日本全体で上下関係が希薄化していくだろう。

 だが、上下の隔たりがなくなり、皆が好き勝手に振る舞えるわけもないので、新たな装置が必要となるはずだ。それは、血も涙もない数値的な実力主義である。

 外資系企業が、当たり前のようにそういった装置を使っているのは誰もが知るところだ。

 日本的上下関係というのは、「ダメな奴でもゴマすりでやっていける」というような弱者救済の温情装置でもあるのだ。

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