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『シェイプ・オブ・ウォーター』、『リメンバー・ミー』… アカデミー賞にみるアメリカの本音 (1/2ページ)

 今年の第90回アカデミー賞の作品賞には、人種問題を1950年代のB級モンスター映画と巧みに重ね合わせた『シェイプ・オブ・ウォーター』、長編アニメーション賞にメキシコ人少年が主人公の『リメンバー・ミー』などハリウッド映画らしい無難な結果に落ち着いた。

 前回のような一般の予想を覆す結果はごくわずか(『ゲット・アウト』の脚本賞など)。それは昨年の式典が反トランプ集会の様相を呈したことに対する反省か、セクハラ問題でケビン・スペイシーらハリウッド映画人の多くが訴えられたせいかは定かではない。が、明らかに前回の状況とは大きく異なる。

 中でもゲイリー・オールドマンが『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』で主演男優賞に選ばれたのに加え、同作品の背景となった英米の撤退作戦を描いた『ダンケルク』が3つのオスカーを獲得したことは今回の受賞式を象徴する。式の途中、戦争映画の名作シーンが映し出されたのはもちろん、きな臭い世界情勢と無関係ではない。

 ハリウッド映画界が北朝鮮、中国、ロシアといった軍事挑発を強める覇権主義国家に、対抗する姿勢を見せたのだ。近年、チャイナマネーに期待を寄せ、中国におもねる映画を製作していただけに注目すべき変化だ。

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