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【高須基仁 人たらしの極意】芸能界に浸透し続ける「トットちゃん」効果 “特異な個性”隠さなくなった有名タレント

 1年もかかって進展が見られないモリ・カケ問題。そのニュースが流れるたびに、私はなぜかまったくかけ離れた「トモエ学園」を想起する。「モリトモ(森友)」のトモの響きが重なっているだけなのだが…。

 言うまでもなく、1981年に発売され、大ベストセラーとなった黒柳徹子の自伝的物語「窓ぎわのトットちゃん」で描かれた実在の学校だ。昨年は、この本の挿話も含めた黒柳の実録ドラマ「トットちゃん!」が放送され、主題歌「トモエ学園」を福山雅治が歌うなど世代を超えて愛されている。

 この本を初めて読んだとき、自由奔放なトットちゃんに共感して「わかる、わかる」と思わずヒザを打った。それというのも、私は小学生の頃から落ち着きがなく、通信簿に「注意力が散漫」と毎年、書かれていた。級友とは違う突飛な行動をすることもあった。だが、掛川第一小学校(静岡県)の女教師、フジノ先生は、「もっちゃん、大丈夫よ。良いところもあるんだから」と温かく見守ってくれたのだ。

 私は明らかに今で言うADHD(注意欠陥・多動性障害)だと思う。フジノ先生は私の家の3軒隣にある友人宅の2階に下宿されていて、日曜の昼下がりにしばしば訪ねた。小学5年生になるころ、私はだいぶ落ちついていた。精神医学の専門用語は知らなくても、当時はクラスに1人くらいは特徴的な子がいて、先生が長い目で見てくれていたように思う。

 近年になって、異才を発揮する有名タレントが、「黒柳に続け」とばかり、子供の頃の“特異な個性”を隠さなくなったのは良いことだ。

 先日、掛川の老人ホームにいる母を訪ねると、「あなたをかわいがってくれたフジノ先生は元気かね」と問われた。亡くなって10年以上になるが、「元気な様子だったよ」と伝えると、安心した表情になった。(出版プロデューサー)

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