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【中本裕己 エンタなう】アカデミー賞「炎のランナー」のモデルとなった陸上選手の晩年を描く 映画「最後のランナー」

 映画「最後のランナー」は、アカデミー賞受賞作「炎のランナー」(1981年)のモデルである短距離選手、エリック・リデルの知られざる晩年が描かれている。

 「炎のランナー」では1924年のパリ五輪を舞台に、同じ英国代表のユダヤ人選手との深い友情が描かれた。リデルは、予定の100メートル走がキリストの安息日である日曜日だったため棄権。急遽400メートル走に変更して金メダルに輝いた。だが、国民的ヒーローは欲を捨て、出生地の中国・天津に渡って宣教師となる。ここからが「最後のランナー」の話。

 カナダ人女性宣教師と結婚し、2女に恵まれるも、日中戦争が勃発。妻子をカナダに返しつつ、「私は人を救いに来た。逃げられない」と中国の寒村で子供らに勉強を教え続ける。

 戦況は悪化、在留欧米人たちと日本軍の収容所に入れられる。劣悪な環境で衰弱してゆくリデル。しかし、病気で薬を必要とする仲間を救うため、日本軍の少佐との「最後のレース」を挑むのだ。

 本作は、マカオ生まれのスティーヴン・シンが監督。日本への目線はかなり辛辣で、救いの無いラストへ向かうが、収容所の日本軍の中には、わずかに心ある人物もいて全くの“反日映画”というわけではない。むしろ、生涯を通じ他者への愛情を注ぎ続けた真の勇者、リデルを称えた作品だ。

 東京・有楽町スバル座で公開中。8月11日から大阪・テアトル梅田など、順次全国公開。(中本裕己)

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