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【中本裕己 エンタなう】300万円の低予算もクチコミで人気爆発 映画「カメラを止めるな!」

 今年見た映画の中で文句なく一番面白い「カメラを止めるな!」をご紹介したいのだが、なにせネタバレがテーマのような作品。まず、何の予備知識もなしに見ることをお勧めする。無粋を承知で少しだけ中身を。

 冒頭の37分間は、タイトル通り、一度もカットがかからない長回しの“ゾンビ映画”。映画の撮影クルーが山奥の廃墟でゾンビ映画の撮影をしていたところ、突然、本物のゾンビが襲来する。ゾッとする場面や、クスッと笑える台詞もあるが、どこかおかしい。その感覚を忘れずに、後半へと身構えていただきたい。

 前半、綿密に仕組まれた伏線が、推理映画とも異なる手法で、回収しまくられる様は、スッとして、爆笑して、最後にはジーンと感動してしまう。自主制作から商業作品まで、すべての映画に携わる役者、スタッフ、監督を愛おしく思った。

 約300万円の予算で劇場用長編デビュー作となる本作を撮った1984年生まれの上田慎一郎監督の構築力は、タダモノではない。

 6月に都内2館で期間限定上映として封切られたが、クチコミで評判が広がって、立ち見が出たり、終演後に拍手が起きたりと大ウケ。しかし、決してオタクだけが喜ぶマニアックな映画ではない。子供からお年寄りまで楽しめると思う。

 同じくヒット中の「万引き家族」とは全く異質だが、スター主義ではなく登場人物の無名性、群像劇という共通点もある。すでに全国80館以上で拡大上映されている。(中本裕己)

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