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【ドクター和のニッポン臨終図巻】津川雅彦さん 夫婦とも見事な平穏死 妻の死から99日後に旅立つ (1/2ページ)

 ★津川雅彦さん

 「死は自分の意思ではどうにもならない。今はもう、死は怖くはありません」

 妻で女優の朝丘雪路さんを4月になくした俳優の津川雅彦さんは、その1カ月後の雑誌のインタビューでこんなふうに語っていました。

 同じ頃に行われた記者会見で、車椅子で会場に現れた津川さんは、鼻に酸素注入器、指には心拍数計をつけていました。体調は悪そうなものの毅然(きぜん)とした表情で、「娘を産んでくれたこと、(借金返済のために)家を売ってくれたこと、僕より先に死んでくれたこと…すべて感謝だらけです」と話されていたのが印象的でした。

 アルツハイマー型認知症だった妻を見送り、心の整理もついたところだったのでしょう。妻の死から99日後の8月4日に津川さんは旅立ちました。享年78。死因は心不全との発表でした。

 心不全ということもあって、「突然死だった」と伝えている報道もありましたが、私は突然死だとは思いません。

 同じ心不全でも、たとえば今年の2月に急性心不全で亡くなられた大杉漣さん(享年66)などは、まさに突然死だったと思います。

 しかし、津川さんの場合は肺炎などの病気を長年繰り返し、年齢とともに徐々に体が弱っていったところでの心機能の低下だったと思います。昨年10月に緊急入院されてから、日常生活にも酸素注入器が欠かせなかったという経過から「慢性心不全」だったのでしょう。

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