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「検察側の罪人」主役を食う“獣演”見せた 酒向芳とは? (1/2ページ)

 酒向芳と書いて「さこう・よし」と読む。俳優、59歳。公開中の映画「検察側の罪人」(原田眞人監督)で圧倒的な存在感を放っている。“印象主演”という感じだ。

 主演は木村拓哉(45)と嵐の二宮和也(35)のイケメンツートップ。だが世の中が美男美女だけではないように、映画も美男美女だけでは成立しない。非イケメン、だがイケメン以上の印象を残す顔を持つ俳優が多々登場する。ブローカー役の松重豊(55)、別の被疑者役の大倉孝二(43)、大物弁護士役の山崎努(81)が善悪の入り交じった人間の奥底をうかがわせる表情をみせる。

 中でも突出して忘れがたい印象を残すのが酒向演じる被疑者、松倉重生。先日あった映画のイベントにゲストで登場。映画とは正反対に、上下白の服、麦わら帽子をおしゃれにかぶり清潔感たっぷり。身長184センチでスリム。木村・二宮と違うイケメンだった。

 「オンシアター自由劇場」出身で、舞台俳優として実績を積んできた。近年はテレビや映画のオファーも多い。オーディションで出演を決めたが当初、役は未定だった。原田監督が割り当てたのは鬼畜の被疑者役。「監督は私の中に(被疑者の)松倉をみたと思うので、自分の中の松倉を探しました」と明かす。「監督から役を掘り下げるヒントをもらったので、そこから考えました」とも付け加える。

 老夫婦殺人事件で取り調べを受ける中、録音録画を止めることを条件に時効になった女子高生暴行殺人事件をねっとりと語り始める。手柄をひけらかすような不気味さ。左頬に大きなあざ、左右にはげ散らかった髪形。そしてモンスター級の悪を感じさせるのが「ポン!」と口で音をたてるくせ。「ポン菓子」が弾けるような「ポン!」。閉じた唇をパッと開き、音を出す。それがなんともおぞましい。

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