記事詳細

【高須基仁 人たらしの極意】アマ競技界で続く“老醜騒動” メダリストの印象、想いを汚してはならない

 パワハラ告発をめぐる体操界トップの塚原千恵子(71)、塚原光男(70)夫妻による謝罪全文を読みながら、“老醜”という嫌な言葉を思い出した。

 ご両人は、先の東京五輪の小野喬・清子夫妻の後を継ぐ日本体操界のおしどり夫婦だった。若い頃は美男美女で団塊世代のわれわれは、ミュンヘン五輪(1972年)の男子鉄棒で世界を唸らせた月面宙返り(ムーンサルト)の妙技にシビれた。

 風体の変化はお互い仕方がないとしても、前途洋々な若い芽を摘むとは、残念でならない!

 かつて私が“超熟”ヌード写真集をプロデュースしたとき野村沙知代さんは言った。「高須、私は老醜をテーマに小説を書こうと思ってるのよ。老いて醜くなることへの恐怖心は、私にしか書けないでしょ」。

 いま団塊世代には老醜がいやおうなく訪れている。そこを狙ってテレビショッピングでは、顔のシワ伸ばし、ヒザ痛のサプリ、カツラを超えたハイテク増毛法などが大商いの真っ最中だ。

 だが、塚原夫妻は肥ることや髪が後退することを気にせず、老いの一徹でひたすら体操界を支えてきた。とりわけ世話になっている企業である朝日生命には従順だ。チーム隆盛のためと若い選手の“勧誘”“引き抜き”が騒動につながった。

 勇気をもって告発した18歳の宮川紗江選手は、積極的にテレビ各局に出演、老練な勢力に与しないセルフプロデュースの力を発揮した。私と同姓の美容整形外科医の援助の申し出に、妙にうれしそうな顔をしたのがタレント風でちょっと気がかりだが、立派である。

 この騒動、2020年の東京五輪をゴールではなく通過点ととらえ、いかに延命するか深謀遠慮の闘いと私は見ている。レスリング、ボクシングときて体操だ。他の競技でもまだまだ老醜騒動は勃発する。花の命のごとく選手生命は短いが、メダリストの印象は長く国民の心に残る。その想いを汚してはならない。(出版プロデューサー)

 ■高須基仁の“百花繚乱”独り言HP=「高須基仁」で検索

関連ニュース