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【中本裕己 エンタなう】将棋界“奇跡の逆転劇”を映画化 「泣き虫しょったんの奇跡」

 好きなことでメシを食うのは、かくも大変なのか。将棋界で起きた奇跡の逆転劇を映画化した「泣き虫しょったんの奇跡」は、挫折を糧に這い上がる清々しいサクセスストーリーだ。

 小学生のころから将棋一筋で生きてきた“しょったん”こと瀬川晶司。中学生でプロ棋士になった谷川浩司のニュースを見て、初めてプロ棋士という職業を知る。町の将棋道場でもまれ、プロ棋士養成機関である奨励会の一員となるが、「26歳で四段」という壁の前に散る。いったんは将棋と縁を切り、サラリーマン生活を送るが、35歳で再挑戦。アマ棋士からプロ編入という偉業を成し遂げるまでを描く。

 主演は、寡黙な場面も絵になる松田龍平。そして、監督・脚本は自身も9歳から17歳まで奨励会に在籍した異色の経歴を持つ豊田利晃。豊田監督はプロ棋士を断念した当初、「将棋を憎んでいた」というが瀬川氏の原作を読んで爽やかな気分になったという。

 映画の題材としては地味だが、駒を並べ将棋を指すときの手つきや、盤面から響く音は実に鮮やかで、将棋ファンならずとも惹きつけられる。こだわり抜いた対局シーンの多彩なカメラアングルも飽きさせない。

 家が隣で、将棋を通じて生涯の友となった鈴木悠野役には、実際に松田の友人でもあるRADWIMPSの野田洋次郎。小林薫、イッセー尾形、國村隼、新井浩文、妻夫木聡、早乙女太一ら豪華な演技派が脇を固める。7日から公開中。 (中本裕己)

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