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【中本裕己 エンタなう】平成とともにお別れの小室サウンドとアムラー 映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」

 平成の終わりとともに歌社会を去る小室哲哉や安室奈美恵の音楽が全編にあふれた映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」(公開中)を面白く見た。

 評判が良かった韓国の青春映画「サニー 永遠の仲間たち」(2011年)を「3回見た」という大根仁監督がリメークした。舞台となる国は違えども、主だったストーリーはもちろん、役者の細かい仕草も原作を尊重している。

 余命宣告された女子高生時代の友人から「死ぬ前に仲間と会いたい」と頼まれ、その願いを叶えようと主婦(篠原涼子)が同級生捜しに奔走する。コギャル全盛期の90年代にタイムスリップしながら、やんちゃだった頃の仲間と、大人になってからの苦労の対比に、それぞれのドラマがある。

 韓国版は、背景に民主化運動などが描かれているため、どこか社会派映画の色も帯びている。対して、日本版はバブルの余韻が残り、援助交際やブルセラショップの投げやりな明るさが漂う。あの時代には、小室サウンドや安室の歌をバックにしたアムラー・ファッションが妙にマッチしていた。

 胸に迫る集団のダンスシーンなどは「モテキ」でも見せた大根監督らしい持ち味を発揮。篠原が演じる主婦の女子高生時代を演じた広瀬すずの弾けっぷりが出色だ。

 タイトルソングには、あえて小室自身の楽曲ではなくオザケンの「強い気持ち・強い愛」を持ってきた。歌詞は、あのふわっとした時代をよく象徴していて、別れの哀しみが救われる気がした。 (中本裕己)

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