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【高須基仁 人たらしの極意】オールドファンの心に火をつけたジュリー“ドタキャン騒動” 頑固ジジイの意地貫く

 肉を切らせて骨を断つ-。ドタキャン騒動後、横浜の自宅の屋外でマスコミの取材に応じた70歳の沢田研二を見て、思わずこの言葉が浮かんだ。

 「客席がスカスカの状態でやるのは酷なこと。僕にも意地がある」

 「ごめんなさい。ここ、蚊が多いですね」

 老人虐待のように白髭のジュリーを責め立てるリポーターたちを相手にジュリーは切々と釈明し、バラエティー番組を思い出すような間合いで笑いまで誘った。繰り返し流れる会見に、ワイドショーの若い女性キャスターは「プロならどんなに客がスカスカでもステージに立つべきですよ」とまくしたてた。

 しかし、会場周辺でも、騒ぎは起きなかったし、われわれ団塊世代のGSファンからも苦情は聞こえてこない。

 むしろ、ジュリーの意地に目を覚まし、湯飲み茶碗をポトンと落とした。「自宅に籠もっている場合じゃない。老骨にムチを打つジュリーの次の公演には駆けつけなければ」と、騒動以降のツアーは完売が続出している。

 私は思わず、来年1月19~21日の日本武道館公演がまだ取れるかと、中央大映研時代の仲間である矢内廣・ぴあ社長に問い合わせたぐらいだ。

 頑固ジジイのようなジュリーの有り様は、“炎上商法”と叩かれようが、行くあてもなく日々近所を徘徊するオールドファンの心に火をつけた。寺山修司風に言えば「書を捨てよ、ライブへ出よう」という、まさに“古希の家出のススメ”である。私も叩かれても蹴られても不良を貫きたい。 (出版プロデューサー)

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