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【高須基仁 人たらしの極意】人生の“威厳”問う…ケン・ローチ映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」に共感 (1/2ページ)

 頑固ジジイを貫く沢田研二について先週書いたが、我ら団塊世代はとかく、「キレる」と世間から断罪され閉口している。

 そんな私を勇気づけてくれるのが、80歳を超えた英巨匠映画監督、ケン・ローチの映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」(2016年)。カンヌでパルムドールに輝いた名作である。

 心臓病で失職した大工のダニエル・ブレイクは医師から仕事を止められる。国からの援助を得ようとするが、手続きは複雑で、電話が2時間近くもつながらない。あげく、職業安定所で「支援手当」の審査を受けろ、といわれるが、必要なインターネットができず、途方にくれる。

 「俺は大工だ。パソコンは分からない!」

 一方、2人の子持ちのシンングルマザー、ケイティも懸命の就活が認められず申請が却下される。ダニエルはケイティ親子を連れ、食料配給所の列に並ぶ。ケイティは空腹に耐えられず缶詰をそのまま開けて口に入れ、「惨めだ」と泣く。それを「君は立派に子育てしてるじゃないか」と励ますダニエル。人生の“威厳”とは何かを問うこの作品を私は繰り返し見ている。

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