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【中本裕己 エンタなう】行方不明の娘をネットで捜索…浮かぶ“別の顔” 映画「search/サーチ」 

 すべてがPCの画面上で展開する映画「search/サーチ」(公開中)。一見、奇をてらったようだが、斬新で王道のサスペンスだ。

 16歳の女子高生が、友人の家へ勉強に行ったきり戻らない。一緒に暮らす父親はPC上からメールや通話を何度も試みるが音信不通に。行方不明事件として女性刑事が着任し追跡捜査が始まる。家出か、誘拐か、手がかりがつかめぬまま37時間が経過する。

 父親は、幼い頃から家族で共有してきた自宅のPCを駆使して娘のIDでログインし、パスワードもなんとか探り出して、インスタグラムやツイッター、フェイスブックの中の娘を初めて見る。そこには、別人のような姿があった…。

 「親は、いったいどこまで子供のことを知っているのか」というありがちな題材ながら、娘の交友関係などがネットを介してどんどん明るみになる過程が実にスピーディー。当然、ネットの世界には「フェイク」も存在する。あふれ出す玉石混淆の情報と、親の一途な愛情の深さが、それぞれのベクトルで暴走する。

 見ている過程で生じるさまざまな疑問がきっちり回収されるラストは、今年話題を呼んだ「カメラを止めるな!」と同様にアイデア勝負が光る。

 本作でサンダンス映画祭観客賞を得た27歳のインド系アメリカ人、アニーシュ・チャガンティ監督、家族を演じた韓国系アメリカ人の俳優たちから、アジアの新たな息吹を感じた。(中本裕己)

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