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【中本裕己 エンタなう】大胆不敵に蘇ったキレッキレで肉感的なダンス見よ 映画「サスペリア」

 「決してひとりでは見ないでください」のコピーに震えた人も多いだろう。あの傑作ホラー映画「サスペリア」が40年の時を経て蘇った。ダリオ・アルジェント監督のオリジナル版に憧れて育った同じイタリア出身のルカ・グァダニーノ監督は、リメイクの域を超えた大胆な解釈で、耽美的で社会派のホラーを現代に突きつける。

 ダンスの勉強で、ドイツの名門舞踏団の門を叩くアメリカ娘が、魔女の脅威にさらされる-という導入部こそ踏襲しているが、時代設定はオリジナル版が公開された不穏な1977年。東西を分ける壁や第二次大戦の傷跡、ドイツ赤軍のハイジャック、女性解放運動などが、いったいホラーとどう結びつくかが、見どころのひとつ。

 実は魔窟である舞踏団では、主人公スージー(ダコタ・ジョンソン)が、カリスマ指導者のマダム・ブラウン(ティルダ・スウィントン)に才能を見いだされる。一方で、親友サラ(ミア・ゴス)から、ダンサー仲間のパトリシア(クロエ・グレース・モレッツ)の失踪を打ち明けられたスージーが取った行動は…。

 実験性に富むロックバンド、レディオヘッドのボーカル、トム・ヨークが音楽を担当。世界的振付師による女性陣のコンテンポラリーダンスは、キレッキレで肉感的。もし日本版を作るなら、ぜひ「欅坂46」に演じてほしい。アートのような血しぶきが飛ぶグロい場面もたっぷり。賛否両論ありそうだが、2時間半の長尺も退屈しなかった。(中本裕己)

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