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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「ちょっといい話」》「プリキュア」の魅力

 子供だった頃、アニメといえば男の子のヒーローモノが主流だった。女の子は「守られる存在」であることが多く、小学生の頃、「美少女戦士セーラームーン」が登場すると、夢中になった。

 あれから数十年。母となった今、再び自宅でアニメを見る時間が増えている。子供たちがテレビにかじりつくように見ているのは「プリキュア」シリーズ(テレビ朝日系日曜午前8時半)だ。

 初めこそ怪訝(けげん)な目で見ていたが、一緒に見てみると意外に面白い。1月に終了した「HUGっと!プリキュア」の最終回など“不覚にも”感動してしまった。インターネットをのぞくと、私のような大人が多いことにも驚かされた。

 「HUGっと!プリキュア」の主人公はこれといった取りえはないが、心優しい女の子「野乃はな」。「何でもできる、なんでもなれる」「フレーフレー私」「フレーフレーみんな」が口癖だ。

 物語は未来から女の赤ちゃんがやってきたことから始まる。主人公はこの赤ちゃんを守り育むため、そして、大切な人たちの未来を守るため、伝説の戦士「プリキュア」に変身し、仲間たちとともに敵に立ち向かう。

 彼女たちと対峙(たいじ)するのは、悪の組織「クライアス社」。敵は成果のみを追求し、社員を酷使する現代のブラック企業そのもので、人々の未来を奪おうと暗躍する。

 物語には夢に挫折し、他人に裏切られるなどして心のすさんだ人々が登場する。悪の組織に利用される人々がいる中で、主人公は、発展途上にある自らや友人たちの「なりたい自分」を応援し続ける。

 他者の評価ではなく、「私がどうありたいか」を考え、なりたい自分に向かってひたむきに進もうとする姿は胸を打つ。人生には思い通りに行かないこと、絶望することもある。主人公を取り巻く環境は、現代の大人社会の“縮図”のようだ。

 だがこれって、子供たちがこれから突き当たる課題ともいえる。他者の評価ではなく、どれだけ自分の「好き」と向き合い、進んでいけるか。もちろんそのためには、周囲からの温かい応援だって必要だ。優しく強い主人公のようになりたい-。アニメを見て、強く思った。(K)