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【人気ドラマ ヒットメーカー列伝】バカリズムが証明した「芸人だからこそ描ける世界」 向田賞選考委も絶賛「架空OL日記」 (1/2ページ)

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 昨年、優れた脚本家を顕彰する「第36回向田邦子賞」を受賞したのは、お笑い芸人のバカリズムだ。対象作品の「架空OL日記」(読売テレビ)は5人のOL(夏帆、臼田あさ美、佐藤玲、山田真歩)の何気ない日常会話が延々続く不思議な雰囲気のドラマ。

 たとえば、金曜日の仕事終わり、みんなでお金を出し合って買った女子更衣室のハロゲンヒーターの故障が発覚。冷えが苦手な5人はそれぞれ意見を述べたり、関係ない話で笑ったり。ストーリーはほとんどないが、その会話が「リアルで驚き」「女心がわかりすぎ」と反響を呼んだ。

 お気づきと思うが、「5人のOL」で名前を挙げた女優は4人。5人目はバカリズム本人だ。バカリズムはOL枡野として、特に女性的なメークをすることもなく、会社の制服を着て自然にOL仲間に溶け込んでいる。実は「架空OL日記」は2006年から3年間、バカリズムが金融機関に勤めるOLのふりをしてつづったブログが原作。ネットがドラマの発端になったケースはいろいろあるが、本人が脚本を執筆し、出演までこなしたケースは初めてだろう。

 向田賞選考委員が絶賛したセリフ術の源はコントの台本だ。ウッチャンナンチャンにあこがれ、19歳でライブデビューして以降、バカリズムは「みんなが見たことないタイプのコント」を意識しているという。「架空OL」は、まさにその延長線上にある。

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