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【ぴいぷる】阿部純子 アメリカへ武者修行…異文化にもまれ、映画女優の花開く (1/3ページ)

 凜とした表情に思わず背筋がピンと伸びる。日本人女性らしい芯の強さが、その目の奥に潜んでいる。

 愛媛県の松山を舞台に日露戦争のロシア人捕虜と日本人女性の恋を描く映画『ソローキンの見た桜』(22日公開)で演じた「篤志看護婦」(当時はそう呼んだ)のヒロイン、武田ゆいもそんな女性だ。

 「ロシア人と絡む作品に出たのは初めてです。お互い言葉が通じないので最初は緊張しましたね」と率直に語る。

 ゆいも芯の強い女性で、ロシア革命に参加するという密命をおびた捕虜のソローキンと愛し合うようになる。

 敵国の軍人との愛と家族の猛反対の間でゆいは揺れ動く。典型的な悲恋物語である。ロシアを代表する映画監督、アレクサンドル・ソクーロフのもとで映画作りを体験した井上雅貴氏がメガホンを取った。

 「監督は、撮影現場で役者同士が話し合って納得できる形にもっていく作り方をする人でした。難しい役でしたが、監督がわたしの意見と相手役の意見をよく聞いて、どっちがいいかなと考え、『じゃあ、これに決めよう』と。いってみれば素材を集めてきれいに盛りつけるような感じでしたね」

 捕虜に関するハーグ国際条約の初の適用ケースということもあって、日本政府は捕虜に対して異例に寛大であった。世界の戦争史でもまれにみる人道的な扱いであり、松山市内に時ならぬ「捕虜景気」が起きるなど興味深い素材にあふれている。

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