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【大鶴義丹 それってOUTだぜ!】昭和の巨星・内田裕也さん 鮮烈な記憶残す「主演怪優」3部作 (2/3ページ)

 3作目は86年の「コミック雑誌なんかいらない!」。芸能レポーターを通してワイドショーを皮肉った作品で、これは、かの滝田洋二郎監督作品である。当時、ロス疑惑報道の真っ最中であった三浦和義が自ら出演していたのが鮮烈であった。

 この主演3作品に共通することは、すべて、後に世界的な評価を受けていくような監督たちの作品であるということである。

 また、当時において旬の俳優やトップアイドルなどが脇を固めるという斬新なキャスティングが、それまでの邦画とは一線を画する空気感を出していた。

 決して潤沢ではない予算の中で、それらのキャスティングを可能とするには、当時の内田氏の業界内での強い人脈や応援者の存在があったのだろう。

 私は所有していた「水のないプール」のDVDをあらためて見た。

 今見直すと、現在の撮影技術からすると、かなり乱暴な撮影に驚く部分もいくつかあるのだが、主演の内田氏の「怪演」に、10分もすると自然と吸い込まれていく。

 舞台出身の演技の達人というわけでもないのは分かり切ったことだが、内田氏は演技という方程式を飛び越えて、画面を不思議な空気感で満たしていく。

 今さらながら、演技に関わる者として、技術や肉体美とは別の領域にある、役者というものの深遠に触れたような気持ちになった。

 そういった時代を超える映画作品を見ると、あらためて、演技に関わる仕事で御飯を食べられることに「感謝」を感じた。

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