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【大鶴義丹 それってOUTだぜ!】俳優として「芝居」ができるありがたさ…お笑い芸人たちは? (1/3ページ)

 私は毎年6月、劇団の新宿梁山泊とともに、父・唐十郎のアングラ戯曲を新宿花園神社の特設テントで公演することを続けている。

 その活動も今年でいよいよ7年目になる。今年は天気にも恵まれ、6月15~24日までの10日間、かなり体力を消耗する演目である「蛇姫様」を、新宿梁山泊のメンバーと力を合わせ、演じ切ることができた。お客さまにも恵まれ、連日の満員御礼に加え、噂を聞きつけたのか、後半などでは当日券を求めて、キャンセル待ちのお客さまがあふれ返る大盛況であった。

 私は幕が開く前、劇場内を見ることができる隙間から、いつもお客さまの顔をそっと確認する。そうして自分たちの芝居を、わざわざお金を払って観に来てくれるお客さまという「存在」をリアルなものとして再認識することを習慣としている。それは「感謝」と同時に、自分の芝居と彼らが「対決」することを告げるゴングでもあると思っている。また、そういう演劇の原点に戻れる時間が、自分の生活に確実に存在していることに、改めて滋味深い気持ちになる。

 しかし分かり切ったことであるが、アングラ演劇は、稽古に1カ月以上の期間が必要で、いくらたくさんのお客さまが来たとしても劇場のキャパにも限度があり、稽古と本番で2カ月もかかってしまう割にはそれに見合う大金が舞い込んでくることはない。

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