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【永遠の二枚目 市川雷蔵伝説】いったいどれが…皆が口をそろえる魅力「素顔と俳優の顔のギャップ」 (1/2ページ)

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 15年間で150本以上の映画に出演し、人気絶頂だった1969年、37歳の若さで急逝した伝説のスター、市川雷蔵。没後50年を迎えた今もファンをひきつける魅力に迫る。

 31年、京都に生まれた雷蔵は歌舞伎俳優、市川九團次の養子となり、16歳で初舞台。その後、市川壽海の養子となるも映画界に転身。

 長谷川一夫に続くスターと期待され、54年、同期の勝新太郎と『花の白虎隊』でデビュー。驚くのは『新源氏物語』の光源氏のような二枚目から、『好色一代男』のお茶目なぼんぼん、『眠狂四郎』のニヒルな美剣士など演じた役が実に幅広いこと。陽気に歌い踊る狸役の『初春狸御殿』まである。タヌキって! いかにも映画全盛期らしさだが、いったいどれが雷蔵の素顔なのかとも思える。

 実際、雷蔵にはさまざまな顔があったという。筆者は時代劇研究家として多くの共演者、スタッフに取材してきたが、皆が口をそろえるのは「素顔と俳優の顔のギャップ」だ。ある監督は「素顔は銀行マンみたいだった」、共演した女優は「ふざけるのが大好きで、一度、素顔のまま街に出て、気づかれるか試して気づかれなかったと笑っていた」と語る。確かに当時のニュース映像に残る黒ぶちの眼鏡にスーツの雷蔵はスターのオーラを消しているようにも見える。気さくで皮肉屋で話して楽しい。待ち時間は話の輪の中心にいて、みんなを笑わせた。

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