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【織田哲郎 あれからこれから】「曲はいくらでも出てくる」 良い“運気”でヒット曲を連発した1993年 (1/2ページ)

 私は音楽自体の価値はCDの売り上げ枚数とはまったく関係ないと思っています。私自身、無名といってもいい歌手でも大事な曲はいくらでもあります。その曲は有名ではなくても、私にまで届いたから、私にとって価値が生まれたのです。

 「できるだけ届けたい。もしかしたら、その曲を大事に思ってくれるかもしれない人に」。これは音楽を作る人間の当然の思いではないでしょうか。

 そしてポップスという音楽は、ヒットすることで輝きを増していく、という性質があると思います。それはポップスの魅力のひとつであるノスタルジーの部分が、ヒットすることでより“その時代”の思い出に結びつくからかもしれません。

 ただ、ひと言で曲がヒットするといっても、そこにはとても多くの要因があります。メロディー、歌詞、歌唱、アレンジ、歌っている人自身の人気、時代との相性、プロモーション。そういったものがたまたまうまくかみ合ったとき、結果的にヒット曲が生まれるのです。それはもう“運”としかいいようのない部分がとても大きいのです。

 私も「曲がいくらでもかけるぜ!」と感じる時もあれば、「もう何も出てこない」と感じる時もあります。

 1993年、私は自分をとりまく環境にとても良い“運気”を感じていました。そして「曲はいくらでも出てくる」気がしていました。

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